ニチガス、新型コロナ感染症の逆風の中でも、2020 年度末までに 90 万台のスマートガスメーター設置を発表

LTE-M Cellular版の発売により、Sigfoxスペース蛍(ホタル)でサービス提供範囲においてすべての機能を使用できるようになりました。

日本、東京 2020年11月12日 – 日本瓦斯株式会社(以下、ニチガス)は、ガスメーターをオンライン化し、ガスの使用量をリアルタイムに計測できる新型 NCU1「スペース蛍(ホタル)」(ニチガスネットワーク制御装置の愛称)を、2020 年度中に 90 万件のご家庭へ設置することを計画していると発表しました。2019年に行われたSigfox年次会議Sigfox Connectでの同装置についての発表からわずか1年後のことです。

スペース蛍の導入計画は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けることなく、2020 年2月から着実に進んでおり、ニチガス、SORACOM、UnaBiz、京セラの多大な協力により、10月末までに、52万件のスペース蛍の設置が完了しています。これは、1日あたり数千台の新規設置というスピード感です。

「急速に展開する大規模な IoT プロジェクトでは、リアルタイムでの通信回線管理が非常に重要になります。SORACOM プラットフォームは、Sigfox と LTE-M という複数の通信規格を統合的に管理し、ひとつのシステムにシームレスに連携することを可能にします。」
株式会社ソラコム 代表取締役社長 玉川 憲 氏

また、2020 年 7 月にニチガスは「スペース蛍 LTE-M 版」の開発に成功したことを発表しました。これにより、ニチガスはコスト競争力を維持しながら、複数の通信規格の中から最適なものを選択して適応範囲を広げることができるようになり、スペース蛍および DX(デジタルトランスフォーメーション)への取組みを日本中のガス事業者に提供することを視野に入れることができます。当LTE-M版スペース蛍についても、Sigfoxスペース蛍を開発したチームと同じ、お客様に合わせたIoTソリューションを提供するUnaBizが設計を担当します。

「国内人口の 95%をカバーできる Sigfox を用いることで、リーズナブルにスペース蛍を展開することができています。そしてこの度、ネットワーク適応範囲の拡大にとって地理的な課題である、人口密度の高い都市部や起伏の激しい山岳地帯を克服するために、スペース蛍LTE-M 版を開発しました。LTE-M 版は Sigfox 版を補完し、より広いエリアでのスペース蛍の導入を可能にします。」
日本瓦斯株式会社 執行役員 エネルギー事業本部 情報通信技術部長 松田 祐毅

「ネットワーク適応範囲は、ほとんどの大規模 IoT プロジェクトが直面している主な課題です。UnaBiz は、スペース蛍 Sigfox 版開発後、さらなる適応範囲補完のため、スペース蛍LTE-M 版を開発しました。当社は、IoT ソリューション・プロバイダーとして、各 IoT 技術の長所を活かし、お客様のビジネスや運用上の課題に対応しています。」
UnaBiz CEO 兼共同創業者 Henri Bong 氏

「ニチガスがデータ取得コストを最小限に抑えるためには、導入コストが継続的な検針にかかる人件費よりも低くなければなりません。これこそが Sigfox のような 0G センシングの目的であり、信頼性とセキュリティを備えた破格の値段を実現するために設計されたものです。」
SIGFOX CEO 兼共同創業者 Ludovic Le Moan 氏

LTE-M版は、SORACOMのIoT SIMを使用して接続。このSIMカードは、IoTとM2M専用に設計されたマルチバンドの安全なSIMカードで、Sigfoxとセルラーを融合させた導入に対応し、高度なクラウド機能にアクセスできます。ニチガスは、LTE-M版スペース蛍の自社開発に成功したことで、価格競争力を維持しながらも、別の通信規格でサービス地域を拡大できるようになりました。これは、ニチガスが DX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みを、日本中のガス事業者へ提供することを視野に入れた際の、重要な前提条件となっています。

「リモート検針は、私達の取組みの第一歩に過ぎません。日本のエネルギー市場を規制緩和し、より競争力のあるものにしていくことが私達のビジョンであり、それにより顧客に対する価格の適正化とサービスの向上を実現していきたいと考えています。ニチガスは、ウィズ新型コロナの社会において、LP ガスの流通をオンライン化することが不可欠であると確信しています。」
日本瓦斯株式会社 代表取締役専務執行役員 コーポレート本部長 柏谷 邦彦

スペース蛍 LTE-M 版の展開は 2021 年に開始されます。